エロゲ―歴15年の私ですが、このエロゲはエロゲ史に名を刻む名作です。
近い将来おそらくプレミアが付くと思います。
内容的には『
さよならを教えて』のように思春期の青少年が精神的に病んでるパターンですが、ただ美少女を監禁して隷従させて好き勝手に犯しまくるという単純な内容ではありません。
自分にコンプレックスを抱え、自分は誰にも愛されていない、誰からも必要とされていない、と人生を悲観してしまうのは思春期によくあることですが、普通の人は努力してそれら自分に降りかかったあらゆる人生の課題を克服していくものです。
ですが、この主人公は底辺である自分と、何もかも持っている美少女と自分の人生を比較し、ある日彼女にとって自分が
路傍の石でしかないことを知り、そこから猛烈に逆恨みをします。
そして彼女から何もかも奪い、絶望の谷底に突き落とすことで、自分の存在を絶対的に認めさせようとするのですが、その際の脚本や心理描写が実に秀逸です。
また、内容が現実的に作られています。
逮捕され、服役し、社会復帰して、彼女と再会などエロゲには珍しく長い期間を扱った作品です。
犯罪を犯してしまった人のその後、犯罪加害者被害者の家族がそれぞれどうなってしまうか、等々を体感することができます。
たまに、自分に劣等感を感じて他人に嫉妬してしまう人が「お前は親が金持ちで、優しい両親に育てられて、美男美女に生まれて…だから人生上手くいってるんだ」的な批判をしますが、
本当に優れてる人はどんな環境にいても結局自分に負けないのだ、とそんなことを主張したい作品に思えましたw
夏は夏設定のエロゲがやりたくなりますが、いいエロゲができて良かったです☆(>ω<)