親孝行するまでは死ねない

思考錯誤の日々を綴っていこうと思いました

三島由紀夫

三島由紀夫作品メモ②

彼は凍ったように青白い美しい顔をしていた。心は冷たく、愛もなく、涙もなかった。 しかし眺めることの幸福は知っていた。 天賦の目がそれを教えた。 何も創り出さないで、ただじっと眺めて、目がこれ以上明晰になりえず、認識がこれ以上透徹しないという境…

三島由紀夫作品メモ①

私の無言だけが、あらゆる残虐を正当化するのだ。こうして日頃私を蔑む教師や学友を、片っ端から処刑する空想を楽しむ一方、私はまた内面世界の王者、静かな諦観に満ちた大芸術家になる空想をも楽しんだ。外見こそ貧しかったが、私の内界は誰よりも、こうし…